LTVの意味や計算式方法とは?重要視されている背景についても解説!
新規顧客の獲得がより難しくなっている昨今では、企業が継続的に利益を向上するために既存顧客との長期的なつながりが重要視されています。それに伴い、マーケティング施策の検討に欠かせない指標としてLTV(Life Time Value / ライフタイムバリュー)が注目されるようになりました。
このLTVという言葉、知ってはいるけど詳しくは分からないという方も多いのではないでしょうか?
今回の記事ではLTVの定義やLTV計算方法、近年重要視されている背景まで分かりやすく解説します。
1. LTVとは?
マーケティング用語でのLTVとは、Life Time Value(Life Time Value / ライフ タイム バリュー)の略です。顧客生涯価値と訳されます。
1人、もしくは1社の顧客が特定の企業やサービスとの契約・取引を始めてから終わりまでの期間にどれだけの利益をもたらすのかを算出した指標です。一般的に顧客ロイヤリティの高い顧客ほど企業にもたらす利益が大きく、LTVの数値も高いと言われています。
2. LTVの計算方法
LTVの数値はどのように計算して測定するのでしょうか?
実は、LTVの計算方法は複数存在しており、どこまで厳密に測定するかで計算式が変わってきます。今回は基本的な計算式をご紹介します。
LTV=購入単価×購入頻度×契約継続期間×利益率(粗利率)
また、全体を把握するために、以下のような新規顧客の獲得コストや既存顧客の管理コストも考慮した計算式を用いる場合もあります。
LTV=購入単価×購入頻度×契約継続期間×利益率(粗利率)−(新規顧客獲得コスト+既存顧客管理コスト)
さまざまな計算方法がありますが、重要なのは全体を各要素に分解・分析してLTV向上に役立てることです。企業ごとに違うため、それぞれが求めやすい様に分解し数値を可視化してみましょう。
3. 重要視される3つの背景
LTVが近年のマーケティングにおいて重要視されているのには、主に3つの背景があります。
・ 新規顧客の獲得が難しい
日本では人口減少が進んでおり、多くの業界や企業が新規顧客の獲得に苦戦しています。さらにIT技術の発達により情報化社会になったことから、多くの人のライフスタイルや購買行動が変化しました。1980年代〜バブル期筆頭の大量生産・大量消費の時代とは違い、近年は商品を作っても簡単に売れない時代になっています。
また、新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持よりも5倍かかると言われています。今いる既存顧客をどれだけ維持・拡大できるかが、企業にとって大きな課題となるでしょう。
・ デジタル技術の進化
LVTという指標はデジタル技術の進化とともに注目されています。
近年のデジタル技術の発展によりスマートフォンが普及したことで、膨大な顧客データが容易に収集でき、LTV測定も容易にできるようになりました。それにより、顧客がもたらす価値の大きさを表せる指標であるLTVにますます注目度が高まったのです。
・ 進むサブスク化
サブスクリプションサービス(サブスク)の台頭もLTVが重要視されるようになった背景の1つです。
最近は音楽や動画コンテンツだけでなく、ファッションや家具などのさまざまなサブスクが登場し、多くの人が利用しています。サブスクは定額制という特徴から顧客にいかに長く契約・利用してもらえるかが鍵となり、企業全体の利益にも影響します。
そのため、新規顧客のマーケティングだけでなく利用開始後のフォローやサポート、サービス内容の改善など、解約抑止に繋がるマーケティング施策に力を入れる企業が増えてきました。その結果、長期的に利用してもらえる価値を測る指標としてLTVが注目されるようになったのです。
4. LTVを高めるためのアプローチ
計算式のようにLTVを要素分解すると購買単価、購入頻度、契約継続期間の3つがメインで成り立っていると分かり、アプローチ方法も見えてきます。
つまり、LTVの数値を高めるためには、単価を上げること、各顧客の購入回数を増やすこと、契約期間を延長させることが有効的です。
しかし、どんな業界でも頻繁に単価を上げるのはなかなか難しい課題です。各顧客の購入回数や契約・利用期間を増加させたいと考えるのが一般的で、そのために複数のバリエーションを用意して選びやすくしたり、セット販売で平均顧客単価を上げたりなどのアプローチができます。
特にサブスクの場合では、自社に愛着を持って長く利用してくれる顧客ロイヤリティの高いファンを増やすことが重要になります。多くの既存顧客が顧客ロイヤリティの高いファンになれば長期的な契約・利用につながり、全体的なLTVの最大化を目指せるからです。
また、新規顧客獲得・維持コストを下げるのもLTVを高めるアプローチになります。自社のマーケティング施策を今一度見直すのも良いでしょう。また、顧客ロイヤリティの高い既存顧客は口コミサイトやSNSなどで宣伝をして、新規顧客を呼び込んでくれる可能性もあります。新規顧客獲得・維持コストを下げるためにも、顧客ロイヤリティの向上は大切です。
5. 最後に
今回は近年注目されているLTVの基礎的な部分や高める方法について分かりやすく解説しました。新規顧客の獲得が困難な昨今では、LTVをどうやって高めていくのかが企業全体の売上に影響してきます。そのためには顧客ロイヤリティの向上が重要になってくるでしょう。
また、当社はリテンションボット「Smash」を提供しており、サブスクを提供する各企業の解約抑止・分析を行っています。解約場面での顧客との会話は企業やサービスの課題を見つけるのにベストなタイミングであり、改善点を見つけて企業の強みに変えることで顧客ロイヤリティの強化に尽力しています。
さらに、各企業のLTVの最大化につながる各種サポートにも力を入れております。解約や継続率の低下にお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。