サブスク疲れ・サブスク淘汰に負けない!ユーザーを 定着させるための重要な要素とは?
定額で商品やサービスを利用できるサブスクリプションサービス(以下:サブスク)。コロナ禍にお ける在宅ワークの増加などで、利用する人が一気に増えました。世界をはじめ日本のサブスク市 場の規模は右肩上がりで、現在もさまざまなサービスが生まれています。
しかし、2022年に入るとインフレが進み、家計見直しによるサブスクの整理や解約が増えてきま した。最近では、サブスク疲れ・サブスク淘汰といった言葉も広がっているようです。
そこで今回は、サブスクの最新動向や消費者のサブスク疲れの解説を行います。また、解約抑 止を専門とする当社が、淘汰の可能性を減らす重要な要素についてもご紹介します。ぜひ最後 までご覧ください。
1. サブスクの最新動向
1-1. 利用者数がピークの3割減
2019年、サブスクという言葉が新語・流行語にノミネートされました。そして、2020年に新型コロ ナウイルスの拡大などが影響して在宅者が増加。サブスクの利用者数も同じ時期に一気に伸び ました。2020年10月には、サブスクを一つでも利用する消費者が同年1月と比べて1.5倍となって います。
しかし、2020年の10月をピークに利用者数が減っていき、2022年6月にはピーク時に比べて3割 減少。新型コロナウイルスが流行する直前である2020年1月の1.1倍の水準まで下がっています (※1)。
1-2. 1人あたりの契約数が減少
1人が利用するサブスクの契約数にも減少傾向が見られます。動画サービスや音楽などコンテン ツ系サービスの契約数に関しては、2020年秋ごろから減っているようです。特に減少の幅が大き く見られたのは、20〜30代の比較的若い層。コロナ禍に一気に契約数を増やした分、感染がや や落ち着いた時期に解約した数も多い結果となりました(※1)。
※1:日本経済新聞:「サブスク疲れ」進む選別 利用者数、ピークの3割減
2.アメリカの動向
日本と比べてアメリカの動向はどうなっているのでしょうか。
アメリカのサブスク市場は、2021年に280億ドルを突破。2022年には330億ドル、2023年には 380億ドルへと成長すると予測されています。日本と同様、市場規模は成長を続けています。
しかし、2022年4月にアメリカの大手動画ストリーミングサービスのネットフリックスが10年ぶりの 会員数の減少を発表しました。これはサブスク業界にとって衝撃的な出来事であり、動画サブス ク市場の飽和状態を示唆しています。
また、アメリカのカーニー消費者協会(KCI)によると今後サブスク市場は減少していくと予想され ています。調査では、利用者の半数以上がサブスクにかけるコストを月50ドル程度に減らしたいと 考えていることが分かりました。そして、40%ほどの利用者が自分の加入しているサブスクの数が多い と感じているようです(※2)。
※2:Forbes:The Great Unsubscribe
3. サブスク疲れ・サブスク淘汰
サブスク利用者が減少している中、最近ではサブスク疲れ・サブスク淘汰という言葉が広がっています。
定額や使い放題のプランに惹かれ契約するサブスクを増やしたものの、サービスを十分に使い 切れないユーザーが特にサブスク疲れを感じやすいようです。満足感を得られないまま毎月定 額のお金を払っている状態が続いてしまうので、サブスクへの不満やデメリットが溜まってしまう のが原因だといわれています。また、無駄な支払いを避けるために契約・解約を細かく繰り返す 煩わしさをサブスク疲れと表現するユーザーもいるようです。
当社のデータから解約希望者の解約理由を分析すると、どの業界でも上位に「思っていた より利用しなかった」「広告のような効果が得られなかった」などの不満による解約が多くみられ ます。この結果からも、サブスク疲れが解約につながる可能性が高いと考えられるでしょう。
さらに、現在は円安やインフレの影響から家計を見直す消費者が増えています。アメリカでもサ ブスクに使うお金を減らしたいと考える消費者が増えていることから、サブスクは節約対象になり やすいです。そのため、節約によるサブスク淘汰という現象が起きています。
4. ユーザーを定着させる重要な要素
では、淘汰されないためにはどのような対策をしていけばよいのでしょうか。
実際にサブスクの利用者が減少している現状でも、利用者をどんどん伸ばしているサブスクサー ビスは多くあります。その多くは消費者の声や世の中の変化を素早くキャッチし、対応していった 企業です。つまり、変化に合わせてサブスクの強みや質を高められれば解約や淘汰につながる 可能性は低くなります。
また、当社の解約抑止チャットボット「Smash」の分析によると、半分以上のユーザーがサービス の全容を知らないまま解約しようとしたり、商品の利用方法を勘違いしていたりと100%使用せず に解約手続きに進んでいると判明しました。このように、サービス自体を正しく理解せずに定額を 払っていれば、不満にもつながりサブスク疲れを起こす可能性が考えられます。
そこで当社は、ユーザーの不満を減らし解約抑止率をアップする要素としてコミュニケーションが 重要だと考えています。しかし、我々が言うコミュニケーションは、企業対全ユーザーではありま せん。一人ひとりのユーザーに対して真摯に向き合い、各ユーザーに合わせたコミュニケーショ ンを取る必要があります。
ユーザーに合わせて必要な情報を提供することは、ユーザーの疑問・不満の解消に効果的で す。たとえば、価格に不満があるユーザーには「同じ料金で他のコンテンツが利用できる」と知ら せたり、商品の利用が低いユーザーには「価格を下げられるプランがある」という提案ができたり すれば、ユーザーの不満解消に役立つでしょう。
5. まとめ
ユーザーの定着率を高めるためにも、適切なタイミングでユーザーとコミュニケーションを取りま しょう。そのためには、まずユーザーの声を聞く必要があります。当社のチャットボットでは、対人 間に近い自然な会話でユーザーと対話が可能となり、貴重なVOC(Voice Of Customer:顧客の声)が得られます。そして、得られ たVOCデータはさまざまな角度で分析を行っています。ぜひ、VOCを活用してユーザーとコミュニ ケーションを取り、解約抑止率向上を目指しましょう。
VOCによる解約抑止にご興味がある方は、ぜひ当社にご相談ください。解約抑止のプロフェッ ショナルとして、LTVの最大化に尽力いたします。