解約チャットボットのメリットはデータ収集!活用方法やデータの特徴を徹底解説
顧客が定期通販やサブスクリプション契約を解約する方法として、主にコールセンターやWebフォーム、チャットボットといった手段がサービスから提供されているでしょう。
中でも、昨今注目を浴びている「チャットボット」を用いた解約方法は、解約時の顧客データ収集において大きなメリットが存在します。
なぜなら、コールセンターとWebフォーム両者のメリットをあわせ持つからです。
本記事では、そんな解約チャットボットを利用するメリットを、他の解約方法と比較しながら分かりやすく解説。
また、解約チャットボットだからこそ取得できるデータの特徴やそれらの活⽤方法についても深掘りしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
解約チャットボットのメリット
解約チャットボットは、サブスクリプションや定期通販の解約導線として以下のようなメリットがあります。
画⼀的な回答が得られる
本⾳に近い回答が得られる
チャットボット特有のデータが得られる
ABテストを実施しやすい
解約チャットボットは、顧客から高品質なデータを得られる点でメリットが多いのです。
それぞれ詳しく説明していきます。
画⼀的な回答が得られる
解約チャットボットを利用する顧客は、事前に組み込まれたシナリオに基づいて、解約理由や不満点などの選択肢を回答していきます。
そのため、設計した一様な回答データが集まり、集計しやすいというメリットがあります。
また、例外的な回答に対しても「⾃由記述」で対応が可能です。
本⾳に近い回答が得られる
解約チャットボットは基本的に無⼈対応であり、なおかつ会話調で⼿続きが進みます。
そのため、オペレーターに直接話しづらいような内容でも、機械的な回答を顧客に促すことができます。
チャットボット特有のデータが得られる
顧客が解約チャットボットで選択した回答以外でも、得られるデータがあります。
例えば、「チャットを⽴ち上げてから処理を終えるまでの回答時間」や「回答のやり直し」です。
電話解約では似たようなデータが取れそうですが、Webフォームでは難しいでしょう。
また、「この回答を選択した顧客の解約率」、「この設問を表示した際の離脱率」といったユーザー行動のデータも定量的に取得可能。
顧客が解約を終えるまでの時間を最適化することで、よりよい顧客体験を追求することが可能となります。
また、「回答のやり直し」をよく行う人は、実は企業へのロイヤリティ(愛着・忠誠心)が高い人と近似している傾向も分かっています。
ABテストを実施しやすい
ABテストとは、複数の表現パターンを同時にテストして、よりユーザー行動の高いパターンを模索していく改善手法です。
前述の見出しで説明した通り、解約チャットボットから得られるデータは画一的で本音に近いデータです。
そのため、より高い精度で仮説を立てたり、ABテストを実施することができるのです。
例えば、解約チャットボット改善の具体的な施策として、以下のようなものが挙げられます。
選択肢の内容/順番を変える
質問の内容/表現方法を変える
回答内容によって応答メッセージを出し分ける
解約率を下げたり、より正確なデータを得るために、積極的にABテストを行うことをおすすめします。
他の解約方法とのメリット比較
主要な解約導線として挙げられるコールセンター、Webフォームおよび解約チャットボットのメリットを比較します。
表を見ると、チャットボットには「データ活用」において、他の解約方法よりもメリットが存在することが分かります。
一方で、導入ハードルの高さや多様な回答といった点では、他の解約方法に軍配が上がるでしょう。
コールセンターとWebフォームを利用するメリットについて、もう少し深掘りしていきます。
コールセンターのメリット
顧客の発話から解約理由や不満点などを聞き出すため、多様でリアルな回答を得ることができます。
例えば、同じ⾦銭的な事情でも 「料⾦が⾼い」や「経済的な事情で継続が困難」といったニュアンスの違いを汲み取ることができます。
⼀⽅で、回答にばらつきが出やすいため、集計時に工数がかかります。
また、有人対応であることから、顧客が本⾳を避ける傾向も考慮しなければなりません。
Webフォームのメリット
Webフォームによる解約は、チャットボットと同様に、画⼀的で本音に近い回答が得られます。
また、導入・設計のしやすさにおいては、他の解約方法よりも圧倒的に簡単です。
一方で、複雑な条件分岐に対応しようとすると、冗長なフォームとなり顧客体験が著しく低下する恐れがあります。
解約チャットボットで得たデータの活用方法
高品質なデータを得られたとしても、それらを有効活用できなければ意味がありません。
取得したデータの主な活用方法として、以下の4つを紹介します。
顧客セグメンテーションを強固にする
解約⼿続きのシナリオを改善する
商品・サービスの課題を抽出する
クレームを回避しながら顧客のナーチャリングを行う
顧客セグメンテーションを強固にする
顧客のセグメンテーションを作成する際に、チャットボットから得られたデータを活⽤することができます。
チャットボットでの接客中に、リアルタイムで顧客のセグメンテーションを行い、よりニーズに合った既存記事や設問へ誘導します。
また、コールセンターやWebフォームでは実現が難しい「解約理由」や「回答までの時間」といったデータをセグメンテーションの要素に組み込むことができます。
解約⼿続きのシナリオを改善する
選択肢ごとの解約率、質問ごとの離脱率などを計測することで、チャットのシナリオを改善しましょう。
解約を踏みとどまる可能性を高めるシナリオや途中で離脱されないシナリオを追求していくことで、顧客体験を高めることが重要です。
解約時の顧客体験は、企業へのロイヤリティに影響することはもちろんですが、口コミで悪い評判が広まりやすい特徴もあるためです。
商品・サービスの課題を抽出する
チャットボットから得られるデータは、本⾳に近いデータであるため、本当に顧客が求めているものを発⾒する機会となります。
既存のペルソナ設計をブラッシュアップりしたり、提供するサービス自体の改善にデータを活用することが可能となるでしょう。
例えば、顧客が気づいていないサービスの機能を検知して、サービスのLPやサービスのUI改善につなげるといった施策が考えられます。
クレームを回避しながら顧客のナーチャリングを行う
解約理由の回答データや行動データを用いて、再入会を検討してくれそうな顧客を絞り込むことが可能です。
そういった顧客に対してのみ「新商品やアップデートのDM」を送ることで、精度の高いナーチャリング施策を実施できます。
サービスの内容に強烈な不満を持って解約した顧客に対して、しつこくナーチャリング施策を行ってもクレームや企業の不信感につながるだけですよね。
このように、解約後の顧客体験に対しても、データを活用することができます。
解約チャットボットを利用する際の注意点
解約チャットボットのメリットを存分に享受するためには、入念な設計が不可欠です。
顧客体験を維持しながらも、多様で正確な回答を得るために、以下のことに注意しましょう。
具体的な設問を用意する
具体的な設問を用意しなければ、取得したデータの活用が困難になってしまいます。
例えば、解約理由として「料⾦が⾼い」という回答だけを得ても、「なぜそのように感じたのか」が分かりません。
そのため、サービスの価格を下げる、といった施策くらいにしか活用できませんよね。
そこで、「具体的に当てはまるものはどれですか?」と深掘りすることが重要になります。
家庭の経済事情
値上げしたから
他の安いサービスで代用可能になった
といった、さらに深い理由を選択肢から回答してもらいましょう。
解約処理をチャット内で完結させる
解約を希望する顧客に対して、「このチャットで解約作業が完結する」という前提を与えましょう。
チャットが単純にアンケートとして解約理由を聞き出すものだった場合、顧客は回答のモチベーションが下がってしまうからです。
顧客にもメリットがある作業として、解約チャットボットへ誘導することが重要です。
まとめ
解約チャットボットのメリットを、データに焦点を当てて解説してきました。
解約チャットボットから日々収集されるデータは、ビッグデータとして蓄積されてゆき、企業にとって大きな資産になります。
また、チャットボットを利用することで、コールセンターのようなリアルな接客を提供しながらも、採用や労働時間の制限といった人的リソースの心配が不要です。
解約導線にお悩みの方は、解約チャットボットを検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社Smashでは、リテンションボット「Smash」を使った解約抑止や顧客分析を行っています。
解約チャットボット導入に興味のある方は、ぜひ当社の利用を検討してみてください。