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サブスクや定期通販が解約を防ぐための7つのポイント(前編)

今回は、サブスクリプションや定期通販でリテンション(解約抑止)の効果を高める7つのヒントを前後編にわけて紹介していきます。
紹介する内容は、Smashが運営するリテンションに特化したチャットボット「リテンションボット」で収集した数十万件のデータを分析した結果にもとづいています。
前編では、解約抑止に成功しやすいケースとはどんな条件なのかを、トピックスごとに見ていきましょう。



解約抑止の成功を左右する3つの要因

解約ページに訪れたユーザがチャットボットによる接客で継続に意思を変えるとすれば、それは何に影響されると思いますか?チャットボットとの対話でしょうか。

じつは、解約希望者の解約する意思の強さや、態度変容の大きな要因は、

  • 契約の経過日数

  • チャットボットへの到達時間

  • 回答(反応)時間

この3つだと判明しています。チャットボットからの質問の回答内容も影響するものはありますが、それ以上に「契約期間」と「操作時間」の影響が大きいのは驚きですね。

下表は、弊社のリテンションボット上でのユーザとの会話や行動に関する数十万件以上のデータを機械学習し、どの要素が「解約抑止」に影響するのか分析した結果です。

解約抑止への影響度が高いと予測される項目

「契約期間」「チャットボットへの到達時間」「回答時間」の3つは、接客のどの段階でも解約抑止への寄与が大きいことが分かります。
「挨拶」の段階ですでにこの3要因の影響度が高いことから、解約ページの訪問者に向けたリテンションは、チャットボットのシナリオを作りこむだけでは難しいということです。

これらの結果をもとに完成した予測モデルでは、92%の精度で解約抑止の成否を予測できています。
ベテランのオペレーターは、電話の冒頭5秒でその人が買ってくれるのか・解約するのかが分かるそうですが、予測モデルでもベテランの直感に近い性能を発揮できそうです。

Smashではこの予測モデルを活用し、それぞれの業界や企業に適したシナリオの予測や、より効果の高い施策の提供をおこなっています。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

では解約抑止に成功しやすい「契約期間」とは何ヵ月なのか、実際に成功したユーザー属性をもとに、次章で見ていきましょう。

リテンション効果の高いユーザー属性とは?期間別に分析

サブスクリプションや定期通販のユーザーは、退会するまでの期間によって大きく3つの属性に分けられます。
この属性を分析すると、解約パターンとも関連が深いことが分かりました。

契約期間ごとの退会者のペルソナ

  • 入会後1ヵ月未満:商品やコンテンツが明確、もしくは衝動的な行動

  • 入会後1ヵ月以上1年未満:継続の可否をいつも考えている

  • 入会後1年以上:サービスやブランドそのものに共感している

「サービスやブランドそのものに共感」しているユーザーは、ロイヤリティが高く解約抑止も成功しやすいと予想されますね。
その通りの結果が分析で判明しています。

契約期間による解約抑止の成功への影響

契約期間が抑止成功に影響しないなら、上下のグラフは同じ割合を示すはずです。しかし、1年以上契約しているユーザーの割合は、全退会者の中では41%だったものが、抑止成功者に絞った場合では59%に増える結果となりました。

また、1年以上利用しているロイヤリティの高いユーザーは、平均的なユーザーより+7.3%解約抑止に成功していました。さらにチャットボットとの会話項目によっては、平均より+15%も効果が高い結果でした。

長期利用ユーザーは解約抑止にも好意的であることが分かります。

リテンション施策は「1年以上契約しているユーザー」をペルソナに設定して戦略を練っていくとより高い効果を得られやすいでしょう。

リテンションの秘訣:大事な3日間とは?

解約抑止に成功するだけではなく、その後の定着率を高めることも重要ですよね。
つぎは、抑止成功者の定着率を向上させるヒントをご紹介します。

まず、解約抑止に成功したユーザーを継続して調査した結果、抑止後に「3日」以上サービスやコンテンツに接すると定着率が劇的に上がることが分かりました。
なお、連続した3日でなくとも定着は可能です。

解約抑止成功後のコンテンツ接触日数と定着率

つぎに、サービスやコンテンツを最後に利用した日から、何日以内であれば解約を防ぎやすいか、調査した結果もご紹介します。
この調査では、「3日」を境に、残存するユーザーが対数関数のように急激に減少することが分かりました。

解約抑止を働きかけた場合の残存率

  • 3日以内であれば、20%を超える解約抑止が可能

  • 10日を過ぎると残存率は10%以下に低下

コンテンツ最終接触日からの経過日数と定着率

2つの調査からは、リテンションにおいて「3日」が境目となることが見えてきました。
定着しない人はまさに「三日坊主」という熟語のとおり。
サービスの提供側としては、三日坊主にさせないことを重視して、ユーザーとのコミュニケーションを構築しましょう。

まとめ

ビジネスの成長や拡大について論じる際に重視されるリピーター(長期利用者)は、リテンションを考える場合でも重要度の高いユーザーだということです。

リピーター獲得策を検討する場合、短期間での解約を阻止することに注目してしまうかもしれません。
しかし、契約期間が長いユーザーほど解約抑止にも好意的で効果を得られやすいため、この層と良好なコミュニケーションを築くことを意識していきましょう。

Smashのリテンションボットでは、顧客との適切なコミュニケーションの構築が可能です。チャットボットを活用したさまざまな施策のご提案が可能なので、お気軽にお問い合わせください。


画像出典元:pixabay

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