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サブスクビジネス成功のカギはここに!顧客セグメンテーションについて解説

サブスクリプションビジネスにおける成功の鍵は、自社サービスや商品の利用者のことを正しく理解することです。直感的に顧客を理解したつもりであっても、顧客の継続利用率や単価向上が思うようにいかないといった事業者が多く見受けられます。

記事を読むメリット:
今回は顧客理解をするためにしばしば用いられる「顧客セグメンテーション」という手法を紹介します。顧客セグメンテーションを理解し上手に活用することで、顧客ごとのニーズに合わせたマーケティング戦略の展開や効果的なリソース配分が可能になります。それにより、質の高い顧客獲得とロイヤルティの向上、収益の最大化を実現できるでしょう。

I. 顧客セグメンテーションとは何か

顧客セグメンテーションとは、サブスクリプションビジネスにおいて顧客を属性や行動パターンに基づいてグループ(セグメント)に分けるプロセスです。セグメンテーションを行うことで、個々の顧客に合わせたマーケティング戦略の構築やサービスの提供が可能になります。

II. 顧客セグメンテーションによってできること

・ターゲットセグメントの理解
顧客の属性や消費行動の傾向を分析することで、ターゲットとする顧客層を明確に把握できる
・1to1のマーケティング
各セグメントに合わせたマーケティング戦略を実施し、顧客のニーズに応えることができる
・効果的なリソース配分
広告費やマーケティング予算などのリソースを、セグメントごとに効率的に割り当てることができる
・顧客ロイヤルティの向上
セグメントごとに適切な施策やコミュニケーションをすることで、満足度とロイヤルティを高めることができる

III. 顧客セグメンテーションの手法

データ収集と分析

顧客セグメンテーションを行うためには、顧客データを収集し、分析をすることが必要となります。
収集する顧客データには、年齢、性別、居住地などのデモグラフィックデータ、顧客の趣味嗜好、価値観、ライフスタイルなどのサイコグラフィックデータ、購買履歴や購入頻度などの行動データがあります。
これらのデータは、会員登録時のアンケートやGoogle Analyticsなどのアナリティクス、サードパーティのツールを利用することで収集できます。
収集したデータを詳細に分析することで、優良顧客の共通点や購入パターンを把握することができます。
有名な手法として顧客ごとの購入頻度、直近の利用有無、購入価格を元にセグメントを設定する「RFM分析」などが知られています。

セグメントの決定

分析結果を基に、ターゲットとする顧客層を決定します。
ターゲットセグメントの特徴やニーズを把握し、適切な予算配分やマーケティング戦略を調整します。

簡単な例を挙げましょう。
とある通販企業では、顧客の登録情報として収集したデータのうち、決済方法によって継続率に大きな差があることを突き止めました。
その中でも継続率の高いクレジットカード決済の顧客、継続率が低いコンビニ決済の顧客などによってセグメントを分けました。
カード決済の顧客を優良顧客として、重点的にお得なキャンペーンの情報を流すようにし、他方でコンビニ決済の顧客には、クレジットカード登録を促すメールマガジンの配信、マイページでの案内を実施することに決めました。

このようにして、セグメントを決定し特定の顧客層に応じた施策を実施することで、継続率や収益の改善を図ることができます。

IV. 顧客セグメンテーションの継続的な改善と最適化

セグメントの定期的な評価と更新

適切なマーケティングを行うには、顧客データを定期的に評価し、セグメントの見直しを行うことが重要です。
新たに取得したデータやトレンドに基づいてセグメントを更新することで、より精度の高いマーケティングが可能となります。

先ほどの決済方法の例で説明すると下記のようになります。
決済方法のセグメントごとに実施したキャンペーンによって、数ヶ月後に継続率の差が小さくなったとします。
この場合、他のデータを切り口にしてセグメントの見直しができないかを考えます。
再度分析し、購入頻度が高い人と低い人との間に大きな継続率の差が生じていることが新たにわかれば、購入頻度に応じたセグメント決定とマーケティング戦略を構築することを考えましょう。

セグメントの精緻化

セグメントの見直し以外にも、より詳細な分析や顧客フィードバックによってセグメントを洗練させることも重要です。
新たなセグメントを設定し、既存のセグメントをさらに細分化することで、よりターゲットに合ったマーケティングが可能になります。

こちらも先ほどの決済方法セグメントの例を取り上げます。
セグメントごとの施策の効果を振り返った時に、継続率が思い通りに改善されていないことに気づくということはよくあります。
その際、セグメントの見直しも重要ですが、決定したセグメントを深掘りすることも有効です。
決済方法セグメントを詳細に分析し、コンビニに比較的近い都心に住む顧客の継続率はそれほど悪くなく、地方に住む顧客の継続率が極端に低いことがわかったのであれば、決済方法と居住エリアを掛け合わせてより精緻で適切なセグメントを決定することができます。

V. まとめ

顧客セグメンテーションは、サブスクリプションビジネスにおいて、顧客を特定のグループに分けるプロセスです。
セグメンテーションを実施することで、顧客理解、1to1のマーケティング、効果的なリソース配分、顧客ロイヤルティの向上が可能となります。
収集されたデータを元に適切な分析を実施することで、ターゲットセグメントをより効果的に設定することができます。
また、セグメントは継続的に改善することが大切であり、データの評価と更新により、セグメントの見直しや精緻化を図ることができます。

自社で顧客セグメントに応じた効率的なマーケティングが行われているか、また今あるデータをどのような形でセグメンテーションを行うのか、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

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